第1章
タイムシェアとは何か?「投資」ではなく“権利の購入”である
タイムシェアを誤解している人は多い。
まず最初に断言する。
タイムシェアは不動産投資ではない。
これは極めて重要だ。
- 1-1 タイムシェアの本質
- 1-2 なぜこのビジネスが成立するのか
- 1-3 固定週制度とポイント制度
- 1-4 なぜ“投資ではない”のか
- 2-1 ヒルトン・グランド・バケーションズ(HGV)沖縄
- 2-2 マリオット・バケーション・クラブ(MVC)
- 2-3 その他リゾートが未導入の理由
- 3-1 価格構造
- 3-2 1泊あたりコスト
- 3-3 通常宿泊と比較
- 3-4 利回りという考え方
- 3-5 売却時の現実
- 4-1 繁忙期を確保できるという圧倒的安心感
- 4-2 コンドミニアム型の強さ
- 4-3 世界中のヒルトンネットワーク
- 4-4 宿泊費の固定化
- 4-5 “家族の習慣化”
- 5-1 管理費は逃げられない
- 5-2 売却は難しい
- 5-3 予約競争
- 5-4 ライフスタイル変化リスク
- 6-1 「今決めれば割引」
- 6-2 「資産になります」
- 6-3 「家族の思い出」
- 7-1 金融資産運用と比較
- 7-2 それでも持つ意味
- 7-3 資産1億円超層なら?
- 買うべきでない人
- ケース別シミュレーションと徹底比較
- ケースA:毎年7泊利用
- ケースB:平均5泊しか使わない
- ケースC:10年で手放す
- ① 毎年都度予約型
- ② コンドミニアム賃貸(Airbnb等)
- ③ 本当に沖縄に別荘購入
1-1 タイムシェアの本質
タイムシェアとは、
「ホテルの一室を週単位で所有する仕組み」
ではない。
正確には、
宿泊する権利を購入する仕組みである。
多くの場合、法的には
・不動産持分
・利用権契約
のどちらかになる。
つまり、
あなたは“ホテル経営者”にはならない。
“泊まる権利を持つ人”になる。
1-2 なぜこのビジネスが成立するのか
考えてみよう。
高級ホテルを年間52週フルで販売するより、
1週間単位で分割販売した方が
・価格を細かく設定できる
・客層を拡大できる
・現金回収が早い
ホテル側は、
一括で数百万円〜数千万円を回収できる。
これが最大のビジネスモデルだ。
1-3 固定週制度とポイント制度
昔のタイムシェアは単純だった。
「毎年◯月第2週」
のように固定。
しかし、今主流なのはポイント制。
例えばHGVの場合、
・年間7,000ポイント付与
・沖縄は3,500ポイント必要
・ハワイは5,000ポイント必要
という仕組み。
つまり、
沖縄を買ってもハワイに泊まれる。
この柔軟性が売り。
1-4 なぜ“投資ではない”のか
タイムシェアは値上がり益を狙う商品ではない。
購入直後から、
中古市場価格は下がることが多い。
理由は単純。
・管理費がかかる
・買い手が限定的
・供給が増え続ける
したがって、
金融資産的利回りは期待しない方がいい。
第2章
沖縄でタイムシェアを提供しているホテル一覧と現実
結論から言う。
沖縄で本格的なタイムシェアを展開しているのは
ヒルトン・グランド・バケーションズ(HGV)のみ。
2-1 ヒルトン・グランド・バケーションズ(HGV)沖縄
瀬底島に展開。
正式名称:
ザ・ビーチリゾート瀬底 by HGV
隣接:
ヒルトン沖縄瀬底リゾート。
なぜHGVだけなのか
タイムシェアは
・販売コストが高い
・営業が必要
・長期顧客管理が必要
星野リゾートやハレクラニは
ブランド価値を守る戦略を取っている。
タイムシェアは
「現金回収型モデル」。
ブランド戦略が異なる。
2-2 マリオット・バケーション・クラブ(MVC)
沖縄専用棟はなし。
ハワイやタイ物件を購入し、
ポイント交換で沖縄マリオット系ホテルへ宿泊。
つまり、
沖縄型タイムシェアではない。
2-3 その他リゾートが未導入の理由
ハレクラニ沖縄
ANA万座
ルネッサンス
ハイアット瀬良垣
日航アリビラ
プリンスぎのわん
これらは
・通常宿泊単価が高い
・ブランド管理重視
・所有型ビジネスをしない
戦略の違いだ。
第3章
HGVの仕組みを数字で分解する
ここが一番重要。
感情ではなく数字で見る。
3-1 価格構造
例:
購入価格:800万円
年間管理費:22万円
契約年数:実質無期限(権利型)
20年保有すると仮定。
800万 + (22万 × 20年) = 1,240万円
3-2 1泊あたりコスト
年間1週間(7泊)利用。
20年間で 140泊。
1,240万 ÷ 140泊 = 約8.8万円/泊
3-3 通常宿泊と比較
瀬底ヒルトン繁忙期:
1泊8万〜12万円。
つまり、
利用し続ければトントン〜やや得。
ただし条件あり。
・毎年必ず使う
・繁忙期利用
・ポイント無駄なし
3-4 利回りという考え方
タイムシェアに
家賃収入はない。
だが
「宿泊費節約利回り」
は計算できる。
もし毎年7泊70万円かかるなら、
実質年利約5〜7%の“体験価値”。
しかし、
使わなければ
利回りはゼロ。
3-5 売却時の現実
中古市場価格は
購入価格の30〜60%になることが多い。
理由:
・管理費負担が嫌われる
・供給過多
・海外物件との競合
資産形成には不向き。
第4章
タイムシェアのメリットを冷静に分解する
タイムシェアは投資ではない。
だが、
だからこそメリットは“お金以外”にある。
4-1 繁忙期を確保できるという圧倒的安心感
沖縄のトップシーズン。
・GW
・夏休み
・年末年始
この時期、瀬底ヒルトンは
1泊10万円超えは珍しくない。
しかも満室。
だがオーナーは違う。
ポイントを使えば
繁忙期でも泊まれる可能性が高い。
これは心理的価値が大きい。
4-2 コンドミニアム型の強さ
HGVはホテルではない。
キッチン付き。
洗濯機付き。
リビングあり。
つまり、
“別荘体験”。
子どもがいる家庭にとって、
・外食続きで疲れない
・部屋で食事可能
・洗濯できる
この快適性は強い。
4-3 世界中のヒルトンネットワーク
沖縄を買っても
ハワイ
ラスベガス
バリ
タイ
に交換できる。
旅行好きには刺さる。
4-4 宿泊費の固定化
インフレ時代。
ホテル価格は年々上昇。
だがタイムシェアは
購入価格は固定。
管理費は上がる可能性あるが、
宿泊単価の急騰リスクをヘッジできる。
4-5 “家族の習慣化”
毎年同じ場所へ行く。
子どもが覚える。
思い出が積み重なる。
これは数値化できない。
だが強い。
第5章
デメリットを正面から書く
ここが一番大事。
5-1 管理費は逃げられない
使わなくても払う。
これは固定費。
年間20万円。
10年で200万円。
使わなければ“赤字”。
5-2 売却は難しい
中古市場はある。
だが流動性は低い。
・管理費がネック
・買い手が限定
・値下がり前提
資産価値期待は危険。
5-3 予約競争
繁忙期は早い者勝ち。
ポイントはあっても
希望日が取れないこともある。
5-4 ライフスタイル変化リスク
子どもが大きくなる。
海外転勤。
親の介護。
20年続けられるか?
ここが最大のリスク。
第6章
営業トークの裏側を理解する
タイムシェア営業は上手い。
理由がある。
6-1 「今決めれば割引」
典型的。
限定感を出す。
だが中古市場価格を見ると、
焦る必要はない。
6-2 「資産になります」
厳密には違う。
資産ではなく“利用権”。
値上がり前提ではない。
6-3 「家族の思い出」
これは本当。
だが感情と数字を分けること。
第7章
FIRE目線で合理性を考える
あなたがFIRE志向なら重要。
7-1 金融資産運用と比較
800万円を年5%で20年運用すると
約2,100万円。
機会損失は大きい。
7-2 それでも持つ意味
金融的合理性は低い。
だが、
・旅行費用固定化
・毎年の楽しみ確定
を優先するならアリ。
7-3 資産1億円超層なら?
ポートフォリオの5%未満なら問題なし。
余剰資金なら“趣味枠”。
第8章
本当に買うべき人
✔ 毎年必ず沖縄に来る
✔ ヒルトンブランドが好き
✔ 海外も行く
✔ 管理費をストレスに感じない
✔ 資産余裕層
買うべきでない人
✖ 投資目的
✖ 旅行頻度が不定期
✖ 固定費が不安
✖ 価格上昇期待
結論
沖縄で本格タイムシェアを探すなら
HGV一択。
だが、
それは投資ではない。
“人生の体験を先払いする商品”。
最終章
タイムシェアは本当に得なのか?
ケース別シミュレーションと徹底比較
ここまで読んだあなたはもう分かっている。
タイムシェアは
「なんとなく良さそう」では決めてはいけない。
数字で整理する。
1. 前提条件を設定する
まず具体的な仮定を置く。
想定モデル(HGV沖縄)
- 購入価格:800万円
- 年間管理費:22万円
- 保有期間:20年
- 年間利用:7泊
- 管理費上昇:年1%
- 売却価格:購入価格の50%(400万円)
2. 総支払額シミュレーション
管理費総額(1%上昇想定)
初年度22万円
20年合計:約486万円
総コスト
800万 + 486万 = 1,286万円
売却時回収
▲400万円
実質負担
1,286万 − 400万 = 886万円
3. 1泊あたりコスト
20年 × 7泊 = 140泊
886万円 ÷ 140泊 = 約6.3万円/泊
4. 通常宿泊と比較
瀬底ヒルトン繁忙期
1泊 8万〜12万円
仮に平均9万円とする。
20年通常宿泊費
9万円 × 140泊 = 1,260万円
→ タイムシェア実質886万円との差額 約374万円
5. しかし条件付きである
この試算は
✔ 毎年必ず利用
✔ 繁忙期中心
✔ 売却成功
✔ 管理費上昇が緩やか
この条件が揃った場合。
6. 利用頻度別シミュレーション
ケースA:毎年7泊利用
→ 実質6.3万円/泊
→ 通常より安い可能性あり
ケースB:平均5泊しか使わない
20年 × 5泊 = 100泊
886万円 ÷ 100泊 = 約8.8万円/泊
→ 通常宿泊とほぼ同水準
ケースC:10年で手放す
保有10年
総支出約1,020万円
売却50%想定:400万円
実質620万円
70泊利用
→ 約8.8万円/泊
→ ほぼ通常宿泊と同じ
7. 金融投資との比較
800万円を年5%で20年運用。
約2,120万円。
差額 1,320万円。
機会損失は大きい。
つまり、
資産形成としては非合理。
8. 他の選択肢との比較
① 毎年都度予約型
メリット:
・固定費なし
・縛られない
デメリット:
・価格変動
・繁忙期取りづらい
② コンドミニアム賃貸(Airbnb等)
メリット:
・必要な年だけ利用
・価格比較可能
デメリット:
・質が安定しない
・ピーク高騰
③ 本当に沖縄に別荘購入
2,000万〜5,000万必要。
維持費・固定資産税。
流動性リスク。
タイムシェアは“軽い別荘”。
9. ハワイ物件との比較
ハワイHGV物件:
購入価格1,500万〜2,500万
沖縄より高額。
ただし人気高く中古市場流動性はやや上。
沖縄物件は比較的安価。
10. どんな人なら合理的か?
資産1億円以上
→ 趣味枠5%以下なら問題なし
毎年沖縄確定
→ 利用率高い
繁忙期利用中心
→ コストメリット大
11. 買ってはいけない人
✖ 借入で購入
✖ 投資目的
✖ 旅行頻度が不安定
✖ 管理費がストレス
12. 結論
沖縄タイムシェア(HGV)は
✔ 毎年使い切れる人には合理的
✔ 投資商品ではない
✔ 体験前払い型商品
金融商品ではなく、
ライフスタイル固定化商品。
最終総括
沖縄で本格的タイムシェアを提供しているのは
ヒルトン・グランド・バケーションズ(HGV)のみ。
選択肢はシンプル。
あとは
あなたの人生設計次第。


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