沖縄には、全国的なお盆とは一味違った「旧盆(キュウボン)」という風習があります。これは、旧暦の7月13日から15日にかけて、ご先祖様を迎え入れ、敬い、そして送り出すという沖縄独自の伝統行事。
この記事では、そんな沖縄の旧盆文化を歴史的背景から行事内容、エイサーの魅力、観光時の注意点まで、まるごと徹底解説していきます。地元の方はもちろん、沖縄旅行を考えている方にも知っておいてほしい、深くて温かい文化のお話です。
沖縄の旧盆(キュウボン)とは?
沖縄の旧盆は、旧暦の7月13日~15日に行われるご先祖供養の行事。2025年は【8月6日(水)~8日(金)】が旧盆の日程です(※年によって新暦の日付が変動します)。
沖縄では、この旧盆が一年で最も重要な行事のひとつ。親戚一同が集まり、仏壇にごちそうや線香を供え、昔ながらの風習が色濃く守られています。
旧盆の三日間:ウンケー・ナカビ・ウークイとは?
● ウンケー(初日/旧暦7月13日)
「ウンケー」は、ご先祖様をあの世からお迎えする日。この日には仏壇の飾りを整え、ごちそうや果物を供えて迎え火を焚きます。線香の香りとともに、ご先祖様が家に戻ってくると信じられている神聖な時間です。
● ナカビ(中日/旧暦7月14日)
「ナカビ」は、ご先祖様と一緒に家族団らんを過ごす日。親戚や兄弟が集まり、仏壇を囲んで交流を深めます。各家庭で料理を持ち寄り、笑い声の絶えない夜になることも。
● ウークイ(最終日/旧暦7月15日)
「ウークイ」は、ご先祖様を再びあの世へお送りする日。沖縄ではこの日に最も盛大な行事が行われ、エイサー演舞や地域のお祭りが繰り広げられます。
沖縄の旧盆のルーツと歴史
● 祖霊信仰がベース
沖縄の旧盆文化は、**古代から続く祖霊崇拝(ソーレイ信仰)**を土台としています。ご先祖様の魂を「家族の守り神」として敬い、定期的に供養する文化が今も根強く残っています。
● 仏教と中国文化の融合
沖縄はかつて琉球王国として独立していた歴史を持ち、交易を通じて中国文化の影響も受けてきました。そこに日本の仏教的な「お盆」文化が加わり、独自のスタイルに発展しました。
エイサーとは?旧盆の夜を彩る伝統芸能
旧盆といえば、やはり「エイサー」を抜きには語れません。エイサーは、旧盆のウークイ(送り日)に合わせて、若者たちが太鼓を打ち鳴らし、踊りながら地域を練り歩く演舞です。
● エイサーの起源
16世紀後半に浄土宗の「念仏踊り」が伝わり、それが地域の風習と融合。さらに三線や太鼓、旗頭といった沖縄の芸能文化が組み合わさり、現代のエイサーへと進化していきました。
● エイサーの特徴
- 腰を落としてリズミカルに踊る「パーランクー太鼓」
- 鮮やかな法被や帯、足袋姿の衣装
- 地域ごとに異なる演舞スタイル
特に沖縄市で行われる「全島エイサーまつり」は、県内外からの観光客にも人気のイベントです。
地域によって異なる旧盆文化
沖縄の旧盆は県内でも地域によって大きく風習が異なります。その多様性も魅力のひとつです。
| 地域 | 特徴 |
|---|---|
| 那覇・浦添 | 街中で道ジュネーがあり、若者のエイサーが盛ん |
| 沖縄市 | 青年会主導の本格的な演舞が多く観光客にも人気 |
| 宮古・八重山諸島 | 旧盆行事とは別に、独自の「アラビ」などの儀式あり |
| 離島 | 獅子舞や盆踊りが加わる場合もある |
仏壇と供物:家ごとに異なる飾り方と料理

旧盆では、仏壇に線香・花・ごちそう・果物・重箱料理を供えます。代表的な料理としては:
- ウサンミ(供え膳):ご飯・煮物・天ぷらなどを詰め合わせた伝統料理
- ソーメン入り吸い物
- 黒糖や紅芋を使ったお菓子
お供えの後は、家族でいただくのが一般的です。
旅行者が知っておくべき旧盆の注意点
旧盆期間中に沖縄を訪れる旅行者には、いくつかのポイントに注意が必要です。
● お店の営業時間に注意
ウークイの日(最終日)は、飲食店やスーパーが早く閉店したり、休業になることもあります。事前に確認を。
● 交通渋滞
夕方から夜にかけて、親戚の移動や道ジュネーによって渋滞することが多いです。予定には余裕を持ちましょう。
● 宿泊地の選定
エイサーは深夜まで続くことも。静かに過ごしたい方は市街地から離れた場所を選ぶのがおすすめです。
沖縄の旧盆文化は今も生きている
都市化・核家族化が進む現代においても、沖縄では旧盆文化が今なお大切に守られています。特に地域の青年会が主導するエイサー活動は、伝統を未来へつなぐ懸け橋となっており、地元の誇りでもあります。
まとめ|旧盆は沖縄の心に触れるチャンス
沖縄の旧盆は、単なる「お盆行事」ではありません。
それは、ご先祖様とのつながりを確認し、地域との絆を深める特別な三日間です。
旅行で訪れる方にとっても、旧盆の時期は沖縄文化の核心に触れる貴重なタイミング。静かな祈りと、にぎやかな太鼓の音が共存する風景は、きっと心に残る体験となるでしょう。


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